父の看取りを経験。学びの場をつくりたい!
2018年12月20日、川田美弥子さん(1期生)は「コミュニティナース研究所」のFacebookページにこう書き込みました。
〈【ACPのこと教えてください】
近いうちに、文京区で「アドバンス・ケア・プランニング(人生会議。以下、ACP)」を学ぶ場を作りたいな〜と思っています。
自分自身、ネットの情報くらいの知識しかありません、、、父の看取りを経験して、勉強していきたいと思っています。どうせやるなら、いろんな人と一緒にやっていきたい、というかんじです。ACPを学ぶ場づくりにオススメの本や講師、学び方のスタイルなどありましたら、教えて貰いたいですー!〉
その後書き込まれたコメントは、「シェアオフィス、イベントスペースとして借りれるところがあります」「ACPといえば、こういう家庭医がいます」「こんなイベントが開催されますよ」など、実に171件(川田さんの返答を含む)。ACPの愛称選定委員会委員である紅谷浩之さんと、福祉の再構築をミッションに掲げる『株式会社ReDo』代表で、紅谷さんと在宅医療拠点を軽井沢町でつくっている藤岡聡子さんからのコメントもありました。
また、コメントの一つに「勉強会を開催する提案」がありました。「ある分野に詳しい人との飲み会をセッティングして、そこに便乗して一緒に飲みたい人を集めればいいんです。主催者がやることは飲み会の幹事と同じですよ(笑)」というアドバイスがあったのです。川田さんは「そう思えば、心理的ハードルが下がる」と感じたそう。
川田さんは投稿からわずか4日後、勉強会「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)を学ぼう!」を企画。Facebookのイベントページを作成し、参加者を募りました。投稿がきっかけで、紅谷さんと藤岡さんがゲストとして参加することに。こうして2019年1月18日に開催されたのです。
勉強会には22名が参加。まず、人生会議とは何かを紅谷さんが説明し、ゲストが自身の取り組みを語りました。そして最後に「今後、人生会議を身近なものにするためには?」をみんなで考える時間を設けました。
川田さんはこう話しています。「研究所のFacebookに書き込んだだけで、あっという間に勉強会が実現しました(笑)。開催してみて、地域で賛同してくれる人が多いことに驚きましたし、『人生会議』は子どもから大人まで、また支える側の職種も多様に関わることができるテーマだと感じました。多様な人とつながるきっかけになるし、お互いの思考を知ることができ、多職種間、市民と支援職間の思考のギャップを埋めることができそうです。『人生会議』をテーマに場を重ねれば、地域のつながりづくりや地域包括ケアの促進にもなるのではないかと」。
「『人生会議』を身近なものにするためには、どう生きたいのか・何が好きで何を大切にしたいかなどを対話できる文化をつくっていくことが必要だと感じました。『人生会議』を多くの人に知ってもらうよう今後も活動していきたいです」。
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